40歳からの私のチャレンジーアメリカニューメキシコ生活

アメリカ人の夫と一人娘との3人家族。東京暮らし→2022年40歳でアメリカニューメキシコへ。そんな私の日記です。

アメリカって今、戦前だったかしら…。Roe v. Wade法(中絶禁止)

昨日、とっても悲しいニュースが飛び込んできました。

皆さんもう、ご存じの通り、

アメリカの最高裁

「人工中絶の合法・違法について、各州に決定する権利あり」

という判決を出しました。

これによって、保守派が多い州では、ほぼ「中絶は違法」と決定されました。

 

1973年に人工中絶を規制するのは違憲であると

最高裁が出した決定(いわゆるRoe v. Wade法)が

ほぼ半世紀経って覆ってしまいました。

Roe v. Wade法についてはこちらを参照ください)

 

要するに、州によって、中絶をしたら刑務所に行く、ということ。

キリスト教の教えがベースにあって、

「命はお腹に宿った瞬間から尊く、神が作ったもので、殺すことは許されない」という

事らしいのですが…。

 

確かに、避妊もせずにただSEXをして中絶を繰り返す、

それは道徳的にもちょっと…思うし、中絶するくらいなら産んで養子に出せばいい

という考えがあるのも分かります。

 

でも、でも、

レイプされて妊娠してしまったケース、

避妊に失敗して子供ができたけれど、産む余裕も育てる余裕もないケース、

産む前に深刻な障害があるとわかって育てる余裕がないケース、

(明らかに貧困に陥るとわかっている)

さらには、臨んだ妊娠だったけれど、お腹の中で亡くなってしまって

中絶をしないと母体の命が危険であるとわかっているケース、

ありとあらゆる”綺麗ごと”では済まされないそんな人工中絶も含まれてしまいます。

 

先日、中南米の国で、レイプされた11歳の女の子が妊娠して中絶しようとしたら

捕まって、裁判になり、裁判で負けた。

(結局、この少女は違憲と分かったうえで中絶を受けた)

というニュースを見ました。

 

要するに、

中絶の権利=女性の人権(や命)<神

ということになります。

 

この現代でそんなことがあるなんて!と思ったけれど、

まさか、世界をリードする国であるアメリカでこんなことが認められてしまう日が

来るとは思いませんでした。

 

アメリカでもいろんな所で、この決定に関してデモが起きたり、

SNSやニュースを見る限りですが、多くの人が反対の意見を発信しています。

でも、最高裁のジャッジの半分以上が、

保守派であるトランプが大統領時代に任命した保守派。

そのために、この決定が出されました。

ちなみに、この中絶に関する判決が出る数日前には、

「銃規制については州独自の判断は認めない」

という、今回の判決とは相反するような判決が出されていました。

 

信仰や政治的支持は自由です。

でも、人権はそれによって左右されてはならない、不変のものだと

私は思うのです。

 

どうか、どうか、

このおかしな決定が覆る日がすぐにやってきますように…。