昨日、とっても悲しいニュースが飛び込んできました。
皆さんもう、ご存じの通り、
「人工中絶の合法・違法について、各州に決定する権利あり」
という判決を出しました。
これによって、保守派が多い州では、ほぼ「中絶は違法」と決定されました。
1973年に人工中絶を規制するのは違憲であると
ほぼ半世紀経って覆ってしまいました。
要するに、州によって、中絶をしたら刑務所に行く、ということ。
キリスト教の教えがベースにあって、
「命はお腹に宿った瞬間から尊く、神が作ったもので、殺すことは許されない」という
事らしいのですが…。
確かに、避妊もせずにただSEXをして中絶を繰り返す、
それは道徳的にもちょっと…思うし、中絶するくらいなら産んで養子に出せばいい
という考えがあるのも分かります。
でも、でも、
レイプされて妊娠してしまったケース、
避妊に失敗して子供ができたけれど、産む余裕も育てる余裕もないケース、
産む前に深刻な障害があるとわかって育てる余裕がないケース、
(明らかに貧困に陥るとわかっている)
さらには、臨んだ妊娠だったけれど、お腹の中で亡くなってしまって
中絶をしないと母体の命が危険であるとわかっているケース、
ありとあらゆる”綺麗ごと”では済まされないそんな人工中絶も含まれてしまいます。
先日、中南米の国で、レイプされた11歳の女の子が妊娠して中絶しようとしたら
捕まって、裁判になり、裁判で負けた。
(結局、この少女は違憲と分かったうえで中絶を受けた)
というニュースを見ました。
要するに、
中絶の権利=女性の人権(や命)<神
ということになります。
この現代でそんなことがあるなんて!と思ったけれど、
まさか、世界をリードする国であるアメリカでこんなことが認められてしまう日が
来るとは思いませんでした。
アメリカでもいろんな所で、この決定に関してデモが起きたり、
SNSやニュースを見る限りですが、多くの人が反対の意見を発信しています。
でも、最高裁のジャッジの半分以上が、
保守派であるトランプが大統領時代に任命した保守派。
そのために、この決定が出されました。
ちなみに、この中絶に関する判決が出る数日前には、
「銃規制については州独自の判断は認めない」
という、今回の判決とは相反するような判決が出されていました。
信仰や政治的支持は自由です。
でも、人権はそれによって左右されてはならない、不変のものだと
私は思うのです。
どうか、どうか、
このおかしな決定が覆る日がすぐにやってきますように…。